飲食店の開業で最も重要なことは何でしょうか?
それは、最初に立てる「開業戦略」です。
まず、「戦略」とは何か?そして、なぜ「戦略」が大切なのかをご説明しましょう。
戦略とは、わかりやすく言うと「誰に」「何を」提供するか?です。
まずは、以下のように考えてみましょう。
上の図のように、「誰に何を提供するか?」というターゲットとコンセプトの相性をぴったり合わせることが戦略を立てるということです。
戦略とは、先にご説明したように、「誰に何を提供するか?」です。
そして、なぜ戦略が大切なのかについて、私の過去の苦い思い出を紹介させてください。
当時の私は大学を卒業して、北陸最大のコンサルティング会社に入社し、飲食店向けの販促支援を担当していました。
チラシ、DM、看板、イベント、プレスリリース、法人営業などなど、飲食店におけるありとあらゆる販促を実施していました。
お休みも取らず、睡眠時間を削って働いていた甲斐もあってか、売上アップコンサルの成功率はかなり高く、飲食店の売上アップに結構、自信を持っていたのですが、
そんな中でも、どうしても売上が上がらないお店がありました。
「なぜなんだ…」
当時はかなり悩みました。
「他のお店では効果があるのに…」
「最新のノウハウを使っているのに…」
悩み続けた結果、ある日、気が付いたのです。
「どれだけすごい販促をしても、お店の戦略が間違っていたら効果は無い」ということに。
例えば、先にあったビジネスビルの居酒屋の事例が、下記のような戦略だと、結果はどうでしょうか?
こちらは、サラリーマンに対してビジネスビルでクレープを売ろうとしていますが、サラリーマンが仕事帰りに甘いものを食べようという気にはなりませんよね。休日にもビジネスビルに人は少なく、商売として成り立ちにくいわけです。
このように、ターゲット(顧客)とコンセプト(商品・サービス)に大きなズレがある場合、どんなに広告・宣伝、販売促進をしても、効果はほとんどありません。
数千万、数百万の借金をして開業しても、すぐに撤退してしまう飲食店が数多くあります。
その多くは、最初から戦略を間違えているのです。
しかし、飲食店では、開業後にお店の立地や業態を変えることは難しいのです。
つまり、飲食店では、「開業時の戦略が極めて重要」だということです。
開業時に、お店が繁盛するかどうかの7~8割は決まってしまうというのが現実です。
ぜひ、間違いの無い開業戦略を立てましょう。
飲食店開業のスケジュール、物件探し、内装コストダウン、採用・育成、財務・税務など、より深い実践ノウハウが満載。
飲食店の開業・経営の成功率を飛躍的に高める7つの超低リスク戦略を詳しく説明した、「失敗しない」ための実用本。
ライズウィル代表 井澤岳志
飲食専門コンサルタントとして、「低リスク」かつ「現場主義」の開業・店舗再生を信条とし、継続コンサルティングにおける売上アップ成功率は94.1%を達成。
「日経レストラン」で支援店舗の成功事例が多数掲載されており、その他、テレビ、雑誌などの取材実績多数。全国での講演実績がある。
2009年に出版した著書は現在12刷3万部のロングセラーとなっている。
海外でのコンサルティング実績として、台湾で年商6000億の大手上場企業の飲食事業支援で成果を上げている。また、自社でも飲食店を経営し、より実践的な成果重視のコンサルティングを行う。
著書
7つの超低リスク戦略で成功する『飲食店「開業・経営」法』(日本実業出版社)
小資本・低リスクで繁盛店をつくる はじめての飲食店開業の教科書(日本実業出版社)